オリジナルバッグの様々なオーダーをいただく際、特に気をつけてご案内したい点があります。
それは「紐(持ち手)の長さ」です。
せっかくトートバッグを作っても、紐の長さが適切でなければ、使い勝手の悪い、もしくは使用用途に合わない物になってしまいます。
皆様も「なんだかこのバッグ、持ちにくいな……」と思われた経験があるかも知れません。
紐の長さは、選択を間違えるとそれだけで不快感を与えかねない、非常に重要な要素です。
特にトートバッグはエンドユーザーの皆様に、繰り返し使っていただく目的でお作りになる場合が多いです。
何度も使ってもらいたいのに、使い勝手が悪いバッグだと受け取ってそのまま押し入れの奥……なんてことにになりかねません。
今回はそんな「紐の長さ」の選定方法や、どれくらいの長さがどんな場面で使うのに適しているのか、をお話しいたします。
これを読んで、バッチリ使い勝手の良いトートバッグを作りましょう!
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そもそも紐の長さを決めるのにどんな判断基準で決めればいいのでしょうか?
結論から言うと、そのバッグを実際に使用する時には「肩がけするほうがいいのか、手で持つのがいいのか」という点を見極められれば、自ずと最適な長さが決まります。
ではその使用シーンを考えるには、何を基準にすれば良いのでしょう?
主に以下の3つの視点があります。
では1つずつ見ていきましょう。
まず最初に考えなければならないのは、バッグ自体の大きさです。
バッグ自体が大きい場合、手で持つ際にしっかり地面から引き上げないと、バッグが地面を擦ってしまいます。
実際に地面を擦るほどの大きなバッグはなかなかありませんが、「擦りそう」と思うと無意識に高めに持ち上げようとします。
それでは持ち歩く際に気を使いますし、腕に変に力が入ってしまいます。
さらにサイズの大きいバッグほど容量が大きいため、バッグが重くなりがちです。
重いバッグを地面に擦らないように気をつけながら持ち運ぶのは、想像しただけでも使い心地が悪そうですね。
そんな事態を防ぐためにも、サイズが大きめのバッグの場合(特にバッグ自体の高さが40cmを超える場合)には、素直に肩がけできる紐の長さにするのが無難です。
重い物を手で持つのはかなりストレスを感じる状態です。
持ち続けるのに握力と体力を消耗します。
一方、肩にかける場合には身体のバランスも取りやすく、手で持つよりは楽に持ち運べます。
ですので、中に重い物を入れる予定であれば、紐の長さは肩がけをメインに考えたほうが良いでしょう。
ただし外出時には、リュック・ボディバッグ・ショッパーなど、他にも肩にかけるバッグを使っている可能性があります。
なので手に持つのが苦痛でないような重さの場合は、あえて肩がけにしないほうがストレスを感じないこともあるでしょう。
しっかり受け取ったユーザーの利用シーンを想定して、紐の長さを決める必要がありますね。
内容物が具体的に決まっている場合には、何を入れるかによって紐の長さを決めることもできます。
例えば、ショッピングモールなどで展開をしている店舗の場合、肩がけできるようなショッパーにするほうが、両手が空いてショッピングを気兼ねなく楽しめる、という想定ができます。
またA4サイズ程度の書類を入れる場合、あまり大きなバッグにすると書類がまとまりません。
その場合は、バッグを小さめにして手持ちできる紐の長さにする、など内容物によって仕様を工夫できますね。
このように「どんな物をどんなシーンで入れることになるか」という視点から逆算すれば、自ずと肩掛けor手提げのどちらがいいか判断ができそうです。
特にトートバッグは再利用率の高い販促品ですので、使い勝手の良いバッグは普段使いをしてもらえる事が多く、顧客満足のみならず広告としても活用出来ます。
使用シーンを想定してバッグ制作に取り組めば、ユーザーの皆様にたくさん利用もらえるバッグに仕上がるでしょう。
しっかりターゲットを明確化し、ターゲット層にフィットしたトートバッグを作りましょう。
前章までで「肩がけがよいのか、手提げがよいのか」の選択についてご説明いたしました。
では、具体的にはどれぐらいの紐の長さにすればいいのでしょうか?
レレカでよく作られている紐の長さを元に、ある程度分類してご紹介していきます。
30cm前後のバッグは手に持つ、もしくは肘にかけるような用途でオーダー頂くことが多いです。
主に小さめのバッグや薄手のバッグといった「中身が軽くなりやすい」用途に向いています。
レレカの既製品でいうと、主にSサイズが30cm前後の紐の長さになります。
また私の主観ですが、30cm前後の紐は持ち手が主張しないため、ポンと置いているだけでもバッグの見栄えがいいです。
注意点として、あまり横長なバッグに対してこのような短い持ち手をつけると、(支点が中央に寄りすぎるため)持ったときのバランスが悪くなります。
小さくとも横長なバッグを作る際には、もう少し長めの紐にするほうがよいでしょう。
もちろん手提げも問題なし。
この形状なら肘にかけるのも似合いますね。
40cm前後は肘掛けをメインに想定した長さになります。
男性はあまりしない肘掛けですが、女性ならよく持つ持ち方ですよね。
そのため、女性をターゲットにしたバッグをご制作される場合にお勧めの長さです。
小さめのバッグであっても、あえて40cm前後の紐で作成しておけば、お使いいただくユーザー様にご好評いただけることでしょう。
これくらいのハンドルなら手提げも余裕があります。
肘掛けメインですが、書類を入れすぎると辛いかも。
肩がけするには50cm前後の長さは必要になってきます。
ただ男性が肩がけするにはまだ短く、女性であっても冬場など厚着をする場合には肩が窮屈かもしれません。
したがって「完全なレディース物でお手軽仕様なバッグ」や「肩がけもできるが、主には手で持つマルチユースなバッグ」を想定した紐の長さになります。
あくまで筆者の主観ですが、中途半端な長さに収めるよりは40cm前後や56cm以上の、もう少し用途に特化した長さにする方が使い勝手がよくなると思います。
ハンドルが長い分、手提げが少し厳しくなってきます。
長さに余裕があり冬服でも肘掛けはし易いです。
女性ならあまり厚着でなければ肩掛け可能です。
56cm以上は肩がけをメインに見据えた紐の長さです。
主に大きめのバッグで採用されます。
肩がけにすれば両手が空くため、小さめのバッグであっても紐は長めでオーダーされる場合も多いです。
56cm付近だと冬服の女性や男性であっても肩がけが容易ですが、男性が冬服を着た際にはやや窮屈です。
アパレルのアウターを入れるような用途でオーダーいただく際には、思い切って70cm程度まで長くする場合もあります。
ただ、その場合小柄な女性などは手で持つと底が地面に擦りそうになるので、極端に長くするよりは必要十分な長さで作るほうが良いでしょう。
肘掛けは問題ないですが、中身をパンパンに詰めるとつらいです。
冬物のアウターを着ても肩掛けが余裕です。
男性かつ冬物のアウターでも肩掛けできます。
このように紐の長さによって、それぞれ長所もあれば短所もあります。
使用シーンに最適な紐の長さはどれぐらいかな?と、じっくり考えてバッグ制作に臨みましょう。
レレカではそういった「バッグの企画段階」から、プロの視点でお客様と一緒に最適な仕様をお選びします。
迷っちゃって決められない!という方でも、どうぞお気軽にお問い合わせください。